令和8年熊本地震の影響によって新たに生じた「交通空白」の解消を支援する補助事業の4次公募が始まっています。
国土交通省は2026年9月11日、「『交通空白』解消等リ・デザイン全面展開プロジェクト」のうち、「交通空白」解消タイプと共同化・協業化促進タイプの4次公募を開始しました。
今回の4次公募は全国を対象とした通常の募集ではなく、令和8年熊本地震で被災した地域において、被災の影響により新たに発生した地域交通課題の解決に取り組む事業に限定されています。
「交通空白」解消タイプでは、公共ライドシェア、デマンド交通、乗合タクシーなどの新しい交通サービスの導入に加え、利用予測、地域調整、配車アプリ等の導入、実証運行、運行データの分析なども支援対象となります。
補助内容は、原則として500万円まで定額、500万円を超える部分は2/3補助で、補助金交付上限は1億円です。
4次公募の応募期間は、2026年9月11日から10月30日16時までです。
また、申請前には実施地域を管轄する九州運輸局または運輸支局との事前協議が必須となっているため、早めに準備を進める必要があります。
「交通空白」解消等リ・デザイン全面展開プロジェクトとは?
「交通空白」解消等リ・デザイン全面展開プロジェクトは、地域住民や観光客などが必要な移動手段を確保できない「交通空白」の解消を進めるため、国土交通省が実施する支援事業です。
バスやタクシーの利用者減少、運転者不足などにより、地域交通を取り巻く環境は厳しくなっています。
そこで、新しい交通サービスの導入や地域の関係者による連携・協働を支援し、持続可能な地域交通の構築を進めます。
2026年度の事業には複数のタイプがありますが、今回の4次公募では、
- 「交通空白」解消タイプ
- 共同化・協業化促進タイプ
の2タイプが募集されています。
4次公募は熊本地震の被災地域限定
今回の4次公募で特に注意したいのが、対象となる地域・事業です。
国土交通省は、
令和8年熊本地震で被災した地域において、被災の影響により新たに発生した地域交通課題の解決に取り組む事業のみ
を4次公募の対象としています。
そのため、以前から存在していた地域交通の課題を解決するだけの事業ではなく、地震による被害や生活環境の変化などを背景として、新しい移動需要や交通課題が発生していることが重要です。
公募期間は2026年10月30日16時まで
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 公募開始 | 2026年9月11日 |
| 公募締切 | 2026年10月30日 16時 |
| 対象 | 令和8年熊本地震の被災地域で新たに発生した地域交通課題に取り組む事業 |
| 募集タイプ | 「交通空白」解消タイプ・共同化/協業化促進タイプ |
4次公募では、応募期間中に提出された事業から順次審査・採択が行われます。
最終日まで待って一斉に審査される方式ではない点にも注意しましょう。
公共ライドシェアやデマンド交通を支援
「交通空白」解消タイプでは、地域の移動課題を解決する新しい交通サービスの導入等を支援します。
国土交通省は、代表的な交通サービスとして、
- 公共ライドシェア
- 日本版ライドシェア
- デマンド交通
- 乗合タクシー
などを挙げています。
新しい路線を設ける場合だけでなく、既存路線の便数、ダイヤ、運行区間などを明確に変更する交通サービスも対象となり得ます。
利用予測や地域調整から支援対象
本事業の特徴は、車両を走らせる段階だけを支援する制度ではないことです。
公募要領では、例えば、
- 交通サービスを運行する地域・時間帯の調査
- 利用予測シミュレーション
- 地域の関係者との調整
- 実施体制の構築
- 地域内の合意形成
なども事業イメージとして示されています。
「どこで、いつ、どのような移動手段が必要なのか」を調査する段階から、本格運行までを一体的に支援する制度です。
配車アプリ・運行管理システムも対象
新しい交通サービスを運営するためには、車両だけでなく予約や配車、運行管理を行うシステムが必要になる場合があります。
本事業では、
- 配車アプリ
- 運行管理システム
- サービス提供に必要なシステム開発
- 輸送施設の導入・改造
などに必要な経費も補助対象として示されています。
地域交通の運行とデジタル技術を組み合わせて、効率的なサービスを構築したい場合にも活用を検討できます。
実証運行の経費も支援
実際に交通サービスを運行し、その効果を確認する実証運行も支援対象です。
公募要領では、
- 交通サービスの運行経費
- 運転者の募集
- 運転者の研修
- 事業周知用ホームページ
- チラシ・ポスター等のデザイン
- 利用データの分析
- 路線・区域・料金設定等の検討
なども対象経費の例として示されています。
500万円まで定額・超える部分は2/3補助
「交通空白」解消タイプの補助内容は、原則として、
500万円まで定額
です。
500万円を超える部分については、
2/3
が補助されます。
また、商業・福祉・教育など他分野の関係者が人的・物的・金銭的に実質的な運行へ関わる場合には、審査によって定額補助の上限が750万円となる場合があります。
補助金交付上限は1億円
「交通空白」解消タイプでは、
補助金交付上限は1億円
とされています。
ただし、申請すれば必ず申請額どおりに採択されるわけではありません。
予算総額や審査結果によって、不採択または申請額から減額された採択となる場合があります。
どのような事業者が申請できる?
「交通空白」解消タイプでは、新たな交通サービスの運行主体、または運行主体を含む事業体が対象となります。
主な事業主体として、
- 地方公共団体
- バス・タクシー等の交通事業者
- 鉄道事業者・軌道事業者
- 内航の旅客船事業者
- 公共ライドシェアを実施するNPO法人・協議会等
- 複数の事業者・団体等による連携スキーム
などが示されています。
また、事業主体・運行主体は原則として「交通空白」解消・官民連携プラットフォームの会員である必要があります。
地方公共団体からの推薦が必要
「交通空白」解消タイプへ応募する場合、原則として事前に実施地域の地方公共団体から推薦を受ける必要があります。
2以上の地方公共団体にまたがる事業の場合は、対象となるすべての地方公共団体から推薦を受けます。
ただし、地方公共団体そのものが事業主体・運行主体または構成員に含まれている場合など、推薦が不要となるケースもあります。
運輸局との事前協議は必須
今回の公募で非常に重要なのが、応募前の事前協議です。
国土交通省は、事業の応募にあたり、実施地域を管轄する地方運輸局または運輸支局との事前協議を必須としています。
熊本地震に関する4次公募では、九州運輸局または実施地域を管轄する運輸支局との事前協議が必要です。
事前協議では、
- 関係法令への適合
- 応募要件を満たしているか
- 地域公共交通にとって有効な取組か
- 既存の交通事業者等との協議状況
などが確認されます。
締切直前に事前協議を始めるのではなく、申請を検討した段階で相談することが重要です。
既存サービスの単純な継続は対象外
この事業では、従来から提供している交通サービスをそのまま継続するだけの取組は対象になりません。
「新たな交通サービス」として、
- 新規路線を運行する
- 便数を変更する
- ダイヤを変更する
- 運行区間を変更する
など、既存サービスから明確な変更を行う必要があります。
また、新たな交通サービスの実際の運行を伴う事業であることも条件です。
新しい交通サービスは2028年3月までに運行
公募要領では、新たな交通サービスについて、
2028年3月31日までに運行を実施すること
が求められています。
やむを得ない事情を除き、この期限までに運行を行わなかった場合には、原則として補助金の返還が必要となります。
「調査だけ実施して終了する」のではなく、実際の交通サービスにつなげることが重要です。
共同化・協業化促進タイプも4次公募
今回は、「交通空白」解消タイプと同時に共同化・協業化促進タイプも4次公募されています。
共同化・協業化促進タイプは、複数の地方公共団体や交通事業者等が連携し、地域旅客運送サービスを共同で運営する取組を支援する制度です。
例えば、
- 路線バスの共同運行
- 乗合タクシーの共同運行
- 公共ライドシェアの共同運行
- 運行管理の共同化
- 輸送施設・システム等の共同利用
などが考えられます。
こちらも4次公募では、令和8年熊本地震で被災した地域に新たに発生した交通課題への取組に限定されています。
申請前に確認したい7つのポイント
- 令和8年熊本地震の影響によって新たに発生した交通課題か
- 自治体等が「交通空白」があると判断している地域か
- 新しい交通サービスの運行につながる事業か
- 地方公共団体の推薦が必要か確認する
- 九州運輸局または運輸支局との事前協議を行う
- 補助対象経費と対象外経費を整理する
- 10月30日16時までに応募書類を提出する
よくある質問
4次公募は全国の自治体が対象ですか?
いいえ。今回の4次公募は、令和8年熊本地震で被災した地域において、地震の影響により新たに発生した地域交通課題に取り組む事業のみが対象です。
補助金はいくらまでですか?
「交通空白」解消タイプの補助金交付上限は1億円です。原則として500万円まで定額、500万円を超える部分は2/3補助となります。
デマンド交通も対象ですか?
はい。公共ライドシェア、日本版ライドシェア、デマンド交通、乗合タクシーなど、新しい交通サービスの導入が支援対象として示されています。
配車アプリの導入にも利用できますか?
サービス提供に必要となる配車アプリや運行管理等のシステム開発・導入に必要な経費も補助対象となる場合があります。
車両購入も対象になりますか?
条件を満たす場合には補助対象となる可能性があります。ただし、車両購入は定額補助の対象外であり、既存車両を活用できない場合などの条件があります。
運輸局への相談は必要ですか?
はい。応募にあたっては、実施地域を管轄する地方運輸局または運輸支局との事前協議が必須です。
申請期限はいつですか?
4次公募は2026年10月30日16時までです。応募期間中に提出された案件から順次審査・採択されます。
まとめ|熊本地震後の「移動手段」を地域で再構築
「『交通空白』解消等リ・デザイン全面展開プロジェクト」の4次公募は、令和8年熊本地震の影響によって新たに発生した地域交通課題を解決する取組を支援する制度です。
- 公共ライドシェア
- デマンド交通
- 乗合タクシー
- 利用予測・地域調整
- 配車アプリ・運行管理システム
- 実証運行
- 利用データの分析
など、調査・計画から実際の運行まで幅広い取組が支援対象となります。
「交通空白」解消タイプは500万円まで定額、超える部分は2/3補助、補助金交付上限は1億円です。
ただし、地方公共団体との連携や運輸局との事前協議など、応募前に進めなければならない手続きがあります。
申請期限は2026年10月30日16時です。利用を検討する場合は、地震によって生じた交通課題と新しい交通サービスの必要性を整理し、早めに関係機関との協議を進めましょう。
地域交通・設備導入に使える補助金を知りたい方へ
地域交通分野では、新しい移動サービスの導入だけでなく、DX、省力化、設備導入、観光交通、災害復旧など、目的に応じたさまざまな支援制度があります。
「計画している事業が補助対象になるか確認したい」「利用できる補助制度を探したい」「申請に必要な事業計画を整理したい」といった場合は、Saluteへご相談ください。
Saluteは補助金申請をトータルサポートします。
参考・出典
- 国土交通省|令和8年度「交通空白」解消等リ・デザイン全面展開プロジェクト 4次公募開始
- 令和8年度「交通空白」解消等リ・デザイン全面展開プロジェクト 公式サイト
- 「交通空白」解消タイプ|公式サイト
- 国土交通省|「交通空白」解消タイプ 公募要領(4次公募)
- 共同化・協業化促進タイプ|公式サイト
※本記事は2026年9月16日時点で国土交通省および事業事務局が公開している情報をもとに作成しています。4次公募は令和8年熊本地震で被災した地域において、被災の影響により新たに発生した地域交通課題に取り組む事業のみが対象です。対象事業者、補助対象経費、補助率、申請条件等については、申請時に必ず最新の公募要領および公式情報をご確認ください。