2026年9月1日、環境省は「エコツーリズムを通じた地域の魅力向上事業」の三次公募を開始しました。
地域にある自然や文化などの観光資源を守りながら活用し、インバウンド誘客や地域活性化につなげる取り組みを支援する補助金です。
対象となるのは、市町村や観光地域づくり法人(DMO)等が組織する地域の協議会です。
エコツーリズム推進全体構想の作成、モニタリング調査手法の検討、エコツーリズム実施による効果把握などの活動に対して、国費1/2以内の支援を受けることができます。
三次公募の申請期限は2026年9月30日(水)必着です。
この記事では、環境省が公開している最新の三次公募情報をもとに、対象者や対象となる取り組み、申請方法について解説します。
エコツーリズムを通じた地域の魅力向上事業とは?
「エコツーリズムを通じた地域の魅力向上事業」は、環境省が実施する国立公園等資源整備事業費補助金の一つです。
地域の自然観光資源を保全しながら持続的に活用し、観光振興と地域活性化につなげることを目的としています。
特に今回の事業では、インバウンド対応に資するエコツーリズムの取り組みが支援対象となっています。
自然環境を単なる観光資源として消費するのではなく、保全と観光を両立させながら地域経済へ還元していくことがポイントです。
補助率は「国費1/2以内」
環境省の三次公募では、対象となる活動経費の一部について国費1/2以内で支援するとしています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助率 | 国費1/2以内 |
| 対象 | 一定の要件を満たす地域の協議会 |
| 三次公募開始 | 2026年9月1日 |
| 申請期限 | 2026年9月30日(水)必着 |
| 申請方法 | 電子メール |
なお、三次公募の環境省発表ページでは補助上限額を明記していないため、本記事では金額を断定せず、公式に確認できる「国費1/2以内」として紹介します。
対象は「地域の協議会」
この補助金は、観光事業者や企業が単独で申請する一般的な設備投資補助金とは異なります。
環境省は、エコツーリズムに取り組んでいる、またはこれから取り組もうとしている地域の協議会を対象としています。
協議会については、地域の多様な主体で構成されていることが必要です。
また、エコツーリズムを推進しようとする地域の市町村や観光地域づくり法人(DMO)等が組織していることが要件として示されています。
協議会には運営体制も必要
協議会を設置すれば自動的に対象になるわけではありません。
環境省は、協議会として、
- 責任者
- 意思決定の方法
- 事務処理の方法
- 会計処理の方法
- 財産管理の方法
- 内部監査の方法
などを明確にした規約その他の規定が定められていることを要件としています。
そのため、地域の関係者が集まっただけの任意グループではなく、事業を適切に管理・実施できる体制づくりが必要です。
どんな取り組みが対象になる?
環境省は、インバウンド対応に資するエコツーリズム活動を支援するとしています。
公式発表で具体的に示されているのは、
- エコツーリズム推進全体構想の作成
- モニタリング調査手法の検討
- 観光指標の検討
- エコツーリズム実施による効果把握
などです。
「観光客を増やす」だけではなく、自然環境への影響や地域経済への効果を把握しながら、持続可能な観光地域をつくることが重視されています。
エコツーリズム推進全体構想とは?
エコツーリズムを地域で継続的に進めるためには、自然観光資源をどのように守り、どのように観光へ活用していくのかを地域全体で考える必要があります。
そのための基本的な方針となるのが「エコツーリズム推進全体構想」です。
地域の自然観光資源や関係者、保全・利用の考え方などを整理し、地域全体でエコツーリズムを推進するための方向性を明確にします。
本補助事業では、この全体構想の作成に関する取り組みも支援対象として明記されています。
「モニタリング」も重要な支援対象
エコツーリズムでは、観光客が増えることで自然環境へ負荷が生じる可能性もあります。
そのため、地域の自然観光資源の状態や観光による影響を継続的に把握するモニタリングが重要です。
今回の補助事業では、モニタリング調査手法の検討も支援対象となっています。
自然環境と観光の両立を目指す地域にとって、単発の観光コンテンツ造成ではなく、長期的な管理の仕組みづくりまで検討できる点が特徴です。
観光による「地域への効果」も見える化
エコツーリズムを継続するためには、自然環境の保全だけでなく、地域にどのような経済的・社会的効果が生まれているかを確認することも重要です。
環境省は、今回の支援内容としてエコツーリズム実施の効果把握を明記しています。
観光客数だけではなく、地域経済や地域コミュニティへの効果などを把握することで、次の観光施策へつなげやすくなります。
インバウンド対応も重要なポイント
今回の事業では、単なるエコツーリズムの推進ではなく、インバウンド対応に資する取り組みであることが明確に示されています。
外国人旅行者に地域の自然・文化の魅力を伝えながら、その資源を将来にわたって守る仕組みを構築することが求められます。
国立公園や自然景勝地など、自然観光資源を活用した訪日外国人誘客を進めたい地域にとって確認しておきたい制度です。
自然保全と地域経済を両立する
環境省は、エコツーリズムについて、地域の自然観光資源を守りながら持続的に活用することで、地域の魅力向上や地域活性化につながる取り組みとしています。
また、地域住民の理解と協働のもとでエコツアー等を実施することによって、地域経済への良い循環や地域コミュニティの強化、人口減少などの社会課題解決への貢献も期待されています。
「自然を守る」「観光客を呼ぶ」「地域にお金を循環させる」という3つを同時に進めることが、本事業の大きな狙いです。
過去には実際に採択実績も
環境省は2026年7月、令和8年度の本事業について3件の採択事業を公表しています。
つまり、制度の目的に沿った具体的な地域プロジェクトがすでに採択されており、その後も二次公募、今回の三次公募と追加募集が行われています。
新たにエコツーリズムへ取り組む地域だけでなく、すでに活動している地域が取り組みを高度化する場合にも検討したい制度です。
申請はJグランツではなく「電子メール」
今回の三次公募では、応募申請書と関係書類を電子メールで提出します。
提出先は、地域を管轄する各地方環境局または自然環境事務所です。
具体的な提出先については、公募要領の別表3で確認する必要があります。
また、環境省は申請書への押印は不要としています。
三次公募は9月30日必着
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 三次公募開始 | 2026年9月1日(火) |
| 申請期限 | 2026年9月30日(水)必着 |
| 補助率 | 国費1/2以内 |
| 提出方法 | 電子メール |
| 提出先 | 各地方環境局または自然環境事務所 |
申請期間は約1か月です。
協議会の体制や事業内容、実施計画などを整理する必要があるため、活用を検討している地域は早めに公募要領を確認することが重要です。
こんな地域・団体は確認したい
- 自然観光資源を活用して地域活性化を進めたい
- エコツーリズムを新たに始めたい
- DMOと自治体が連携して観光地域づくりを進めたい
- インバウンド誘客を強化したい
- 自然環境と観光の両立を図りたい
- エコツーリズム推進全体構想を作成したい
- 観光による自然環境への影響を調査したい
- 観光による地域経済への効果を把握したい
申請前に確認したい5つのポイント
- 申請主体となる協議会が要件を満たしているか
- 市町村・DMO等を含む地域連携体制ができているか
- インバウンド対応に資する事業になっているか
- 自然環境の保全と観光活用を両立できる計画か
- 9月30日必着から逆算して申請書類を準備できるか
特に重要なのは、単独の観光事業ではなく、地域の多様な主体が連携してエコツーリズムを推進する計画になっているかという点です。
よくある質問
補助率はいくらですか?
環境省の三次公募では、対象となる活動経費について国費1/2以内とされています。
民間企業単独でも申請できますか?
今回の公募対象は、要件を満たした地域の協議会が行う事業です。民間企業単独を申請主体とする制度ではありません。
DMOは対象になりますか?
環境省は、市町村や観光地域づくり法人(DMO)等が組織する地域の協議会を対象として示しています。
どのような活動が支援されますか?
エコツーリズム推進全体構想の作成、モニタリング調査手法の検討、観光指標の検討、エコツーリズム実施による効果把握などが公式情報で示されています。
申請期限はいつですか?
三次公募は2026年9月30日(水)必着です。
まとめ|自然×観光×地域活性化を1/2以内で支援
「エコツーリズムを通じた地域の魅力向上事業」は、自然観光資源を守りながら観光や地域活性化につなげる地域の取り組みを支援する補助金です。
対象となるのは、市町村やDMO等が組織する一定の要件を満たした地域の協議会です。
支援内容には、
- エコツーリズム推進全体構想
- モニタリング調査手法
- 観光指標
- エコツーリズムの効果把握
などがあり、国費1/2以内で支援されます。
三次公募は2026年9月30日(水)必着です。
インバウンド誘客と自然環境の保全を両立させ、観光による利益を地域へ循環させたい自治体・DMO等にとって、確認しておきたい制度です。
地域活性化・観光事業に使える補助金を知りたい方へ
観光分野では、インバウンド、DX、人材育成、設備投資、地域コンテンツ造成など、事業内容によって利用できる補助制度が異なります。
「地域の観光プロジェクトに使える補助金を探したい」「自治体やDMOと連携した事業を検討している」「申請可能な制度を整理したい」といった場合は、Saluteへご相談ください。
Saluteは補助金申請をトータルサポートします。
制度選定から事業計画書・申請書類の作成、提出まで支援します。
参考・出典
- 環境省|令和8年度国立公園等資源整備事業費補助金 「エコツーリズムを通じた地域の魅力向上事業」三次公募
- 環境省|令和8年度同事業 採択結果
※本記事は2026年9月5日時点で環境省が公開している公式情報をもとに作成しています。対象事業、対象経費、申請要件、提出書類等については、申請時に必ず最新の三次公募要領・交付要綱をご確認ください。