2026年8月27日、観光庁は「地域一体となった観光産業の効率化支援事業」の三次公募を開始しました。
この補助金の特徴は、ホテルや旅館がそれぞれ個別に設備を導入するのではなく、複数の宿泊施設等が連携し、地域で共同利用する設備の導入や改修を支援することです。
補助率は1/2、補助上限は5,000万円。
観光庁の資料では、セントラルキッチン、共同倉庫、循環バス、温泉引湯管、従業員寮などが取り組みの例として示されています。
三次公募は2026年9月29日12時までです。
この記事では、観光庁が公開している公式情報をもとに、制度の特徴や対象事業者、対象となる取り組み、申請を検討する際のポイントを解説します。
地域一体となった観光産業の効率化支援事業とは?
「地域一体となった観光産業の効率化支援事業」は、宿泊業の人手不足解消に向け、地域の宿泊事業者等が連携して行う設備投資や改修等を支援する事業です。
観光庁は、インバウンドをはじめとする観光需要の回復に伴い、宿泊業の人手不足が顕在化していることを背景として挙げています。
そこで、一つのホテルや旅館だけを効率化するのではなく、地域内の複数事業者が設備や機能を共有することで、観光地全体のサービス水準と労働生産性を高めることを目的としています。
補助率1/2・最大5,000万円
観光庁が公開している事業資料では、支援内容は次のように示されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助率 | 1/2 |
| 補助上限 | 5,000万円 |
| 支援内容 | 共同設備の導入・改修等 |
| 三次公募締切 | 2026年9月29日 12:00 |
数百万円規模の省力化設備だけでなく、地域で共同利用する比較的大規模な設備・施設についても検討できる点が特徴です。
最大の特徴は「1社で使う設備」ではないこと
この補助金を理解するうえで重要なのが、「地域一体」という考え方です。
一般的な設備投資補助金では、1社が自社工場や店舗に導入する設備が対象となるケースが多くあります。
一方、本事業では複数の宿泊施設等が共同で利用する設備の導入・改修等を支援します。
つまり、
「各社が同じ機能をそれぞれ持つ」のではなく、「地域で一つの機能を共有する」
という発想がポイントです。
どんな設備が想定されている?
観光庁の公式資料では、対象事業の例として次の取り組みが示されています。
| 取り組み例 | 共同化する機能 |
|---|---|
| セントラルキッチン | 複数施設の調理工程 |
| 共同倉庫 | 食材・物品等の保管 |
| 循環バス | 地域内の移動 |
| 温泉引湯管 | 温泉供給 |
| 従業員寮 | 従業員の住環境 |
これらはあくまで観光庁が示している事業イメージです。実際の対象可否は最新の公募要領に基づいて確認する必要があります。
セントラルキッチンで調理を共同化
宿泊施設では、料理の仕込みや調理、食材管理などに多くの人員が必要になります。
地域内の複数施設がそれぞれ同じ工程を行うのではなく、一部の調理工程を共同化する方法の一つがセントラルキッチンです。
観光庁も本事業の具体例としてセントラルキッチンを明示しています。
地域単位で機能を集約することで労働生産性向上を目指す、本事業を象徴する取り組みの一つです。
共同倉庫で保管・物流を効率化
観光庁の資料では、共同倉庫も事業例として示されています。
宿泊施設では、食材、飲料、アメニティ、消耗品などさまざまな物品を使用します。
地域内で共同利用する仕組みを構築することで、各施設が個別に担っている保管機能等を見直す取り組みにつなげることができます。
「従業員寮」も事業例に
特に注目したいのが、観光庁の資料で従業員寮が事業イメージの一つとして明示されていることです。
本事業は設備の自動化だけを対象とした制度ではありません。
宿泊事業者が地域で連携し、人材確保や労働生産性向上につながる共同の仕組みを構築するという考え方が制度の背景にあります。
具体的な施設・工事等の対象範囲については、必ず最新の公募要領を確認してください。
対象は宿泊事業者だけではない
三次公募では、観光関係事業者が補助対象事業者として案内されています。
- 宿泊事業者
- 飲食事業者
- 交通事業者
- 観光施設
- 観光協会
- DMO
- その他の観光関係事業者
ただし、重要な条件があります。
実施主体または連携先に、宿泊事業者を1者以上含める必要があります。
ホテル単独の設備更新とは違う
例えば、一つのホテルが自社だけで使用する設備を新しくしたいという場合には、本制度の「地域一体」という特徴と一致しない可能性があります。
本事業が支援するのは、複数の宿泊施設等が共同利用する設備の導入・改修等です。
「自社の生産性をどう上げるか」だけではなく、「地域の複数事業者が連携することで、観光地全体をどう効率化するか」という視点が必要になります。
なぜ今「共同化」が重要なのか?
宿泊施設がそれぞれ調理、保管、送迎、人材確保などの機能をすべて個別に抱えれば、それぞれの施設で人員や設備が必要になります。
一方、地域内で共同化できる機能を集約できれば、限られた人材や設備をより効率的に活用できる可能性があります。
観光庁は本事業を通じ、宿泊事業者が連携・協働し、地域一体となって労働生産性向上につながる設備投資や改修等を進めることを支援しています。
三次公募は9月29日12時まで
観光庁は2026年8月27日、三次公募を開始しました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 三次公募開始 | 2026年8月27日(木) |
| 申請締切 | 2026年9月29日(火)12:00 |
| 補助率 | 1/2 |
| 補助上限 | 5,000万円 |
三次公募では公募要領・様式の一部が変更されています。
過去の公募資料を利用せず、必ず三次公募の最新資料を確認してください。
申請は専用Webサイトから
三次公募の申請は、特設Webサイトを利用します。
- 特設Webサイトから申請様式をダウンロード
- 申請書類を作成
- 申請者マイページを作成
- マイページから申請書類を提出
締切は2026年9月29日12時です。
こんな地域・事業者は確認したい
- 地域のホテル・旅館で人手不足が深刻になっている
- 複数施設で共同利用できる設備を導入したい
- セントラルキッチンの整備を検討している
- 地域共同の倉庫を整備したい
- 宿泊施設間を結ぶ交通手段を検討している
- 温泉供給設備を地域で効率化したい
- 宿泊従業員の住環境について地域で対策したい
- DMOや観光協会を中心に地域の生産性を高めたい
申請前に整理したい5つのポイント
- 地域の宿泊業が抱える共通課題を整理する
- 共同化できる業務・設備を特定する
- 連携する宿泊事業者等を決める
- 共同設備によるサービス水準・労働生産性向上を整理する
- 三次公募の最新様式で申請書類を作成する
特に重要なのは、「設備を導入したい」というところから計画を始めるのではなく、地域共通の課題から必要な共同設備を逆算することです。
よくある質問
補助率はいくらですか?
観光庁の事業資料では、補助率1/2とされています。
補助上限はいくらですか?
補助上限は5,000万円です。
ホテル1社だけでも対象になりますか?
本事業は複数の宿泊施設等が利用する共同設備の導入・改修等を支援する制度です。具体的な申請主体や連携要件については最新の公募要領をご確認ください。
飲食店や交通事業者も参加できますか?
三次公募では、飲食事業者、交通事業者、観光施設、観光協会、DMO等も観光関係事業者として示されています。ただし、実施主体または連携先に宿泊事業者1者以上を含める必要があります。
公募期限はいつですか?
2026年9月29日(火)12時です。
まとめ|ホテル単独ではなく「地域で共有する設備」に最大5,000万円
「地域一体となった観光産業の効率化支援事業」は、複数の宿泊施設等が共同で利用する設備の導入・改修等を支援する制度です。
補助率は1/2、補助上限は5,000万円。
三次公募は2026年8月27日から9月29日12時まで実施されています。
セントラルキッチン、共同倉庫、循環バス、温泉引湯管、従業員寮など、「各施設が個別に持つ機能を地域で共有する」という発想が、この補助金を理解するポイントです。
ホテル・旅館の設備投資に使える補助金を知りたい方へ
観光・宿泊分野では、省力化設備、DX、人材育成、施設改修、地域共同設備など、目的によって利用できる補助制度が異なります。
「地域の宿泊施設で共同設備を導入したい」「自社の計画に利用できる補助金を探したい」「申請に必要な事業計画を作成したい」といった場合は、Saluteへご相談ください。
Saluteは補助金申請をトータルサポートします。
制度選定から事業計画書・申請書類の作成、提出まで支援します。
参考・出典
- 観光庁|令和7年度補正予算 「地域一体となった観光産業の効率化支援事業」三次公募
- 観光庁|令和7年度補正予算 「地域一体となった観光産業の効率化支援事業」事業概要
※本記事は2026年8月31日時点で観光庁が公表している公式情報をもとに作成しています。三次公募では公募要領・様式の一部が変更されています。対象事業者、対象経費、設備・施設等の詳細については、申請時に必ず最新の公募要領をご確認ください。