「ラストマイル配送効率化促進事業」は、荷主・物流事業者・地方公共団体等が連携し、受取拠点の整備や共同配送、貨客混載などに取り組むことで、地域の宅配便ドライバーの負担軽減と持続可能な配送サービスの確保を目指す国土交通省の補助事業です。
「再配達を減らしたい」「複数の事業者で配送を効率化したい」「地域の配送ドライバー不足に対応したい」といった課題を抱える地域や事業者にとって、確認しておきたい制度です。
2026年度の補助率は1/2以内。取り組みの内容によって補助上限額が設定されており、最大2,000万円の支援を受けられる制度設計となっています。
2026年7月29日には二次公募が開始されており、応募期限は2026年9月4日(金)17:00必着です。
この記事では、2026年8月時点で国土交通省が公開している公式情報をもとに、対象となる取り組み、補助率・補助上限額、対象事業者、申請前に確認したいポイントをわかりやすく解説します。
ラストマイル配送効率化促進事業とは?
ラストマイルとは、物流拠点などから最終的な受取先まで商品を届ける配送の最終区間を指します。
ラストマイル配送効率化促進事業では、地域の宅配便ドライバーの負担軽減を図りながら、配送サービスを持続的に提供できる体制づくりを支援します。
国土交通省は、荷主・物流事業者・地方公共団体等の多様な主体が連携し、物流負荷を軽減する先進的な取り組みに必要となる経費の一部を補助しています。
単に車両や設備を導入するのではなく、「地域全体で配送の仕組みを効率化する」ことに重点が置かれた制度です。
なぜラストマイル配送の効率化が必要?
荷物を最終的な受取先まで届けるラストマイルでは、配送先が分散するため、効率的な配送体制を構築することが重要になります。
特に再配達が発生すれば、同じ荷物を届けるために再びドライバーが配送先を訪問しなければなりません。
また、人口減少などによって配送需要を効率的にまとめる必要性が高い地域では、一つの物流事業者だけで問題を解決することが難しいケースもあります。
そこで本事業では、荷主・物流事業者・自治体などが連携し、地域単位で配送方法そのものを見直す取り組みを支援しています。
どんな取り組みが補助対象になる?
2026年度の制度では、大きく3つの取り組みが支援対象として設定されています。
| 区分 | 主な取り組み | 補助上限額 |
|---|---|---|
| ① | 受取拠点の整備等 | 500万円 |
| ② | 共同配送・貨客混載等 | 500万円 |
| ③ | ドローン等を活用する際の拠点整備等 | 2,000万円 |
①~③を組み合わせることもできますが、交付申請額の合計は2,000万円が上限です。
ただし、2026年度の二次公募では③のドローン等を活用する事業は募集対象外となっています。
補助率は1/2以内
ラストマイル配送効率化促進事業の補助率は、一律1/2以内です。
例えば、補助対象として認められる経費が800万円で、補助率1/2が適用される場合、補助額は400万円となります。
ただし、実際の補助額は対象経費や各取り組みに設定された補助上限額などによって決まります。
「事業費の半分が必ず補助される」という意味ではないため、対象経費と上限額の両方を確認することが重要です。
宅配ボックス・受取拠点で再配達を減らす
本事業で注目したい取り組みの一つが、荷物を受け取るための拠点整備です。
自宅でしか荷物を受け取れない環境では、受取人が不在の場合に再配達が発生します。
宅配ボックスや地域の受取拠点などを活用することで、受取人が都合のよいタイミングで荷物を受け取れるようになれば、ドライバーが同じ配送先を繰り返し訪問する負担を軽減できます。
そのため本事業では、物流負荷の軽減につながる受取拠点の整備等が支援対象に含まれています。
「共同配送」で配送車両を効率化
共同配送とは、複数の荷主や物流事業者等が連携し、荷物をまとめて配送する取り組みです。
それぞれの事業者が個別に少量の荷物を運ぶのではなく、配送を集約することで、車両の積載効率や配送効率の改善につなげます。
本事業では、このような共同配送を含むラストマイル配送効率化の取り組みが支援されています。
「自社の配送だけを効率化する」のではなく、他社や地域の事業者と連携して物流全体を効率化することがポイントです。
貨客混載という選択肢も
貨客混載とは、人を運ぶ交通手段の輸送能力を活用して、旅客と貨物を一緒に運ぶ仕組みです。
地域によっては、既存の交通ネットワークを活用することで、新たな配送車両やドライバーだけに頼らない物流体制を構築できる可能性があります。
2026年度のラストマイル配送効率化促進事業では、共同配送とともに貨客混載の推進も支援対象として示されています。
1社だけで申請する制度ではない
この補助事業で特に注意したいのが、補助対象事業者の構成です。
国土交通省は、補助対象者を地方自治体、荷主、物流事業者等が参画した協議会等としています。
また、協議会等には、地方自治体、荷主または物流事業者が2者以上参画することが必須です。
そのため、一般的な設備投資補助金のように、一企業が自社だけの設備導入を目的として申請する制度とは仕組みが異なります。
「誰と連携して地域の物流課題を解決するのか」を最初に整理する必要があります。
二次公募は2026年9月4日17時まで
2026年度の二次公募は、2026年7月29日に開始されています。
| 項目 | 二次公募 |
|---|---|
| 公募開始 | 2026年7月29日(水) |
| 公募締切 | 2026年9月4日(金)17:00必着 |
| 事業期間 | 交付決定日~2027年2月12日(金) |
申請を検討している場合は、協議会等の構成や事業計画、必要経費などを早めに整理する必要があります。
こんな地域・事業者は確認したい
- 地域の配送ドライバー不足が課題になっている
- 再配達を減らしたい
- 宅配便の受取拠点を整備したい
- 複数企業による共同配送を検討している
- 貨客混載による配送効率化を検討している
- 自治体と物流事業者で地域物流を見直したい
- 荷主と物流事業者が共同で物流改善に取り組みたい
- 将来も維持できる地域配送網を構築したい
申請前に整理したい6つのポイント
- 地域でどのような物流課題が発生しているか
- どの事業者・自治体等と連携するのか
- 再配達や配送負荷をどのように軽減するのか
- 受取拠点・共同配送・貨客混載のどれを活用するのか
- 導入後にどの程度の効率化が期待できるのか
- 二次公募の対象事業・対象経費に該当するか
特にこの制度では、単体の設備購入ではなく、複数主体の連携によってどのような物流効率化を実現するのかを事業計画として整理することが重要です。
よくある質問
補助率はいくらですか?
2026年度のラストマイル配送効率化促進事業は、補助率1/2以内です。
最大いくらまで補助されますか?
2026年度の制度全体では、対象事業の組み合わせを含めて交付申請額の合計2,000万円が上限です。ただし、二次公募ではドローン等を活用する際の拠点整備等は募集対象外です。
企業1社だけでも申請できますか?
補助対象者は地方自治体、荷主、物流事業者等が参画した協議会等で、地方自治体、荷主または物流事業者が2者以上参画することが必須とされています。
宅配ボックスも対象になりますか?
国土交通省は、物流負荷の軽減に向けた受取拠点の整備を対象事業として示しています。具体的な設備や経費が補助対象となるかについては、公募要領の対象経費を確認する必要があります。
二次公募でドローン配送を申請できますか?
二次公募では「地域の配送での輸送手段としてドローン等を活用する際の拠点整備等」に係る事業は募集対象外とされています。
まとめ|物流の人手不足を「地域全体」で解決する
ラストマイル配送効率化促進事業は、受取拠点の整備、共同配送、貨客混載などを通じて、地域の宅配便ドライバーの負担を軽減し、持続可能な配送サービスを構築するための制度です。
2026年度は補助率1/2以内で、制度上の交付申請額は最大2,000万円となっています。
特徴的なのは、一企業だけで物流設備を導入するのではなく、荷主・物流事業者・自治体等が連携して取り組む点です。
ドライバーを増やすことだけを考えるのではなく、再配達削減、共同配送、貨客混載などによって「配送そのものを減らす・まとめる」という視点から物流課題を解決することが重要です。
物流効率化に使える補助金を知りたい方へ
2026年度は、ラストマイル配送だけでなく、共同輸配送、物流データ連携、モーダルシフトなど、物流効率化を支援する複数の制度が実施されています。
「自社の取り組みに使える補助金を知りたい」「物流事業者と共同で新しい配送体制を構築したい」「どの制度を利用すればよいかわからない」といった場合は、Saluteへご相談ください。
Saluteは補助金申請をトータルサポートします。
自社の事業内容や投資計画に適した制度の選定から、事業計画書・申請書類の作成、提出手続きまで、専門家が丁寧にご支援いたします。
参考・出典
※本記事は2026年8月26日時点で国土交通省が公開している令和8年度「ラストマイル配送効率化促進事業」の公式情報をもとに作成しています。補助対象事業者、補助対象事業、対象経費、補助率、補助上限額、公募期間等は変更される場合があります。申請の際は必ず最新の公募要領・交付規程等をご確認ください。