省エネ・非化石転換補助金は、工場や事業所などで使用している設備を省エネルギー性能の高い設備へ更新したり、電化・燃料転換やエネルギーマネジメントシステムを導入したりする取り組みを支援する補助制度です。
「電気代を削減したい」「古い空調設備を高効率設備へ更新したい」「工場のボイラや生産設備を省エネ化したい」と考えている企業にとって、設備更新時に確認しておきたい補助金の一つです。
省エネ設備への更新は、エネルギーコストの削減だけでなく、CO₂排出量の削減や生産設備の効率化にもつながります。
この記事では、2026年8月時点で公開されている公式情報をもとに、省エネ・非化石転換補助金の仕組み、対象となる設備、事業区分の違い、申請を検討する際に確認したいポイントをわかりやすく解説します。
省エネ・非化石転換補助金とは?
省エネ・非化石転換補助金は、工場・事業場における省エネルギー化や非化石エネルギーへの転換を促進するための設備投資を支援する制度です。
省エネルギー性能の高い設備への更新だけでなく、工場・事業場全体で大幅な省エネ化を図る取り組み、化石燃料から電気等への転換、EMSを活用したエネルギー需要の最適化など、複数の方法による省エネ投資が対象となっています。
そのため、単純な設備更新として考えるのではなく、現在のエネルギー使用量をどのように削減するかという視点から投資計画を考えることが重要です。
省エネ設備への更新には複数の事業区分がある
省エネ・非化石転換補助金では、設備更新の方法や目的に応じて事業区分が設定されています。
| 事業区分 | 主な内容 |
|---|---|
| 工場・事業場型 | 工場・事業場全体で大幅な省エネ化を図る |
| 電化・脱炭素燃転型 | 電化や脱炭素につながる燃料転換を行う |
| 設備単位型 | 一定の基準を満たす省エネ設備へ更新する |
| エネルギー需要最適化型 | EMSを活用してエネルギー使用を最適化する |
自社がどの区分に該当するかは、導入する設備だけではなく、設備更新によって実現する省エネ効果や投資内容によって異なります。
設備単位型なら高効率設備への更新を検討できる
設備単位型は、SIIが定めるエネルギー消費効率等の基準を満たし、補助対象設備として登録・公表された指定設備へ更新する事業を支援するものです。
2026年の対象設備には、ユーティリティ設備だけでなく生産設備も含まれています。
| 分類 | 対象設備の例 |
|---|---|
| 空調・熱源 | 高効率空調、産業ヒートポンプ |
| 給湯・ボイラ | 業務用給湯器、高性能ボイラ |
| 冷凍・冷蔵 | 冷凍冷蔵設備 |
| 電気設備 | 変圧器、産業用モータ、制御機能付きLED照明器具 |
| 生産設備 | 工作機械、プラスチック加工機械、プレス機械、印刷機械、ダイカストマシン |
ただし、同じ種類の設備であればすべて対象になるわけではありません。
補助対象設備として登録されている設備であるかを確認することが重要です。
電化・燃料転換も補助対象
省エネだけでなく、脱炭素化を目的とした設備更新を検討している企業が確認したいのが「電化・脱炭素燃転型」です。
この区分では、化石燃料から電気への転換や、より低炭素な燃料への転換などを伴う設備更新が支援対象となります。
例えば、現在使用している化石燃料設備について、よりCO₂排出量の少ない方式へ転換するといった設備投資が考えられます。
そのため、 「省エネ」と「脱炭素」を同時に進めたい企業 にとって確認しておきたい事業区分です。
EMSを使ってエネルギー使用量を「見える化・最適化」
エネルギー需要最適化型では、SIIに登録されたEMSを活用してエネルギー使用量の削減や需要の最適化を図る取り組みを支援します。
EMSとは、設備等のエネルギー使用状況を把握し、計測・監視・制御などによってエネルギー利用を効率化するためのシステムです。
例えば、工場内の設備ごとの電力使用量を把握することで、エネルギー消費が大きい工程や時間帯を特定し、運転方法を改善するといった活用が考えられます。
設備そのものを高効率化するだけでなく、「いつ・どこで・どれだけエネルギーを使っているのか」を把握して改善するという考え方です。
補助率・補助上限額は事業区分によって異なる
2026年に実施された省エネ・非化石転換補助金では、事業区分によって補助率や補助上限額が異なります。
| 事業区分 | 中小企業等の補助率 | 上限額 |
|---|---|---|
| 工場・事業場型 | 区分・要件により1/2以内または2/3以内 | 15億円/事業全体 |
| 電化・脱炭素燃転型 | 1/2以内 | 3億円/事業全体 |
| 設備単位型 | 対象区分により異なる | 対象区分により最大3億円/事業全体 |
| エネルギー需要最適化型 | 1/2以内 | 1億円/事業全体 |
実際の補助率・補助上限額は、設備の種類や申請区分、GX要件などによって異なります。
申請する際は、自社が該当する区分の最新公募要領を確認してください。
省エネ補助金は「設備価格」だけで判断しない
省エネ設備を導入するときは、設備の購入価格だけで投資効果を判断しないことが重要です。
例えば、既存設備と新設備について、
- 年間の電力使用量
- 燃料使用量
- 年間稼働時間
- エネルギーコスト
- 設備の維持管理費
- 更新によって削減できるエネルギー量
などを比較することで、設備更新による効果を具体的に把握できます。
「補助金があるから設備を交換する」のではなく、「設備更新によってどれだけエネルギーコストを削減できるのか」を確認したうえで補助金を活用する という考え方が重要です。
こんな企業は省エネ設備投資を検討する価値がある
- 10年以上使用している空調・ボイラ等がある
- 工場の電気代・燃料費が大きい
- 冷凍・冷蔵設備を多数使用している
- 古い工作機械や生産設備を使用している
- 設備の電化や燃料転換を検討している
- 工場全体のエネルギー使用量を把握したい
- 脱炭素・CO₂削減を進めたい
特に工場や店舗、ホテル、物流施設など、空調・給湯・冷凍冷蔵設備を長時間使用する事業では、省エネ設備への更新による効果を確認する価値があります。
申請前にまず「現在の設備」を整理する
省エネ補助金を検討する場合、最初から補助対象設備を探すのではなく、現在使用している設備を整理するところから始めると効率的です。
- 現在使用している設備を一覧化する
- 設備のメーカー・型番・導入年を確認する
- 電気・ガス・燃料等の使用量を確認する
- 年間の稼働時間を整理する
- 更新候補となる設備を検討する
- 更新前後のエネルギー使用量を比較する
- 対象設備として登録されているか確認する
この整理をしておくことで、補助金の対象可否だけでなく、設備更新そのものにどの程度の経済効果があるのかも判断しやすくなります。
2026年の公募状況
2026年に実施された設備単位型の公募では、2026年6月1日から7月9日まで申請受付が行われました。
現在、この公募期間は終了しています。
ただし、省エネ設備の更新は設備選定、省エネ効果の確認、見積取得など申請前の準備に時間がかかる場合があります。
今後の公募を活用したい企業は、募集開始を待つのではなく、現在使用している設備とエネルギー使用状況を早い段階から整理しておくことが重要です。
まとめ|設備更新のタイミングで省エネ補助金を確認する
省エネ・非化石転換補助金は、工場や事業所で使用している設備を高効率設備へ更新する際に検討したい補助制度です。
高効率空調、ボイラ、冷凍冷蔵設備、工作機械など、さまざまな設備が対象となる可能性があります。
また、設備単体の更新だけでなく、工場全体の省エネ化、電化・燃料転換、EMSによるエネルギー管理など、投資目的に応じた支援制度があります。
設備更新を予定している企業は、発注や契約を行う前の段階で利用できる補助金がないか確認することが重要です。
省エネ設備への更新に補助金を活用したい方へ
「古い空調設備を更新したい」「工場の電気代を削減したい」「ボイラや冷凍冷蔵設備を省エネ設備へ更新したい」「自社の設備が補助対象になるか知りたい」といった場合は、設備を発注する前に補助制度を確認することが重要です。
Saluteは補助金申請をトータルサポートします。
自社の設備投資に適した補助制度の選定から、事業計画書・申請書類の作成、提出手続きまで、専門家が丁寧にご支援いたします。
参考・出典
※本記事は2026年8月23日時点で公開されている経済産業省、資源エネルギー庁、一般社団法人環境共創イニシアチブ等の公式情報をもとに作成しています。公募内容・対象設備・補助率・補助上限額・申請期間等は公募回や事業区分によって異なり、変更される場合があります。申請の際は必ず最新の公募要領・交付規程等をご確認ください。