2026年9月4日、環境省は「クマ出没対策コンサルティング実証事業」に参加する地方公共団体の募集を開始しました。
人の生活圏へのクマの出没や、それに伴う人身被害への対応が各地で課題となる中、自治体のクマ対策を専門家チームが支援する新たな実証事業です。
選定された自治体に対して、専門家による課題整理や現地調査だけでなく、具体的な対策案の作成、一部対策の試行、効果検証まで実施します。
募集対象は都道府県・市町村で、応募多数の場合は10団体程度が選定される予定です。
募集期間は2026年9月4日から10月2日17時まで。
この記事では、環境省が公開した最新情報をもとに、対象となる自治体や支援内容、応募条件について解説します。
クマ出没対策コンサルティング実証事業とは?
「クマ出没対策コンサルティング実証事業」は、人の生活圏へのクマ出没に対応する自治体を専門家が支援する環境省の実証事業です。
環境省は2026年7月に「市街地クマ出没対策チーム」、通称「アーバンベア対策チーム」を設置しました。
人の生活圏へのクマ出没に備えた安全対策の強化や、クマ被害対策に関する技術の導入促進などを進めています。
今回の実証事業も、その取り組みの一環として実施されます。
なぜ今、自治体のクマ対策が必要なのか?
環境省は、人の生活圏へのクマの出没や、それに伴う人身被害が相次いでいることを今回の事業の背景として挙げています。
2026年3月に政府が決定した「クマ被害対策ロードマップ」では、
- 出没時の緊急対応
- 人の生活圏への出没防止
- 個体数管理の強化
などについて、関係省庁が連携して総合的に取り組む方針が示されています。
特に、人の生活圏へのクマの出没を未然に防ぐことと、実際に出没した場合の対応が重要な課題となっています。
対象は「都道府県・市町村」
今回の実証事業に応募できるのは、一定の条件を満たす地方公共団体です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 都道府県・市町村 |
| 選定予定 | 応募多数の場合10団体程度 |
| 募集開始 | 2026年9月4日 |
| 応募締切 | 2026年10月2日 17:00 |
| 応募方法 | 電子メール |
民間企業や個人が直接応募する制度ではありません。
特に「クマ対策の経験が少ない自治体」を支援
今回の募集で特徴的なのが、対象となる自治体の条件です。
環境省は応募条件の一つとして、
「クマ対策の知見・経験が比較的少ないこと」
を明記しています。
つまり、長年クマ対策を行ってきた自治体だけを対象にするのではなく、近年クマの出没が問題になり始め、専門的な知見や体制が十分に蓄積されていない自治体を支援することが想定されています。
応募するための4つの条件
環境省は、対象となる地方公共団体について次の条件を示しています。
- クマ対策の知見・経験が比較的少ないこと
- 人の生活圏におけるクマ出没への対策強化を検討していること
- 専門家チームと協働して実証に取り組めること
- 実証期間中に担当者を配置できること
単に専門家からアドバイスを受けるだけではなく、自治体側も担当者を配置し、専門家と一緒に対策を検討・実施することが求められます。
支援① 自治体ごとの課題を整理
選定された自治体では、まず専門家との打合せを実施します。
担当する相談役が、その地域におけるクマ対策の課題やニーズなどを収集・整理します。
クマの出没状況や地域環境、自治体の体制などは地域によって異なるため、全国一律の対策ではなく、それぞれの自治体の状況に合わせた検討を行うことがポイントです。
支援② 2~3名程度の専門家チームを編成
課題やニーズを整理した後、その課題解決に適した専門家が選定されます。
環境省の発表では、相談役に加えて必要な専門家を選び、2~3名程度の専門家チームを編成するとしています。
自治体が自ら複数の専門家を探すのではなく、その地域の課題に応じた専門家チームによる支援を受けられることが、この実証事業の大きな特徴です。
支援③ 専門家が実際に現地調査
専門家チームは、自治体との打合せだけでなく現地調査も行います。
現地の状況を確認しながら、自治体と協働して対策案を具体化していきます。
地形や住宅地、農地、森林との位置関係など、現場を確認しなければ分からない課題を踏まえて対策を検討できる点が重要です。
支援④ 対策案を作って終わりではない
今回の事業は、コンサルティングだけで終了するものではありません。
専門家チームと自治体が協働して具体化した対策について、必要に応じて一部を実際に試行します。
つまり、
課題整理 → 現地調査 → 対策立案 → 試行
というところまで実証事業の中で進めることが予定されています。
支援⑤ 最後に「効果検証」まで実施
実際に試行した対策については、その効果も検証します。
「対策を実施した」という事実だけでなく、どの程度の効果があったのかを確認することで、その後の本格的なクマ対策へつなげることができます。
専門家による提案だけではなく、対策の試行と効果検証まで一連で実施する点が、この事業の特徴です。
支援の流れを整理すると?
| STEP | 主な内容 |
|---|---|
| STEP 1 | 自治体との打合せ |
| STEP 2 | 地域の課題・ニーズを整理 |
| STEP 3 | 専門家チームを編成 |
| STEP 4 | 現地調査・対策案の具体化 |
| STEP 5 | 必要に応じて対策を試行 |
| STEP 6 | 効果を検証 |
自治体が抱えている課題の把握から、具体的な対策の実証まで一貫して支援する仕組みとなっています。
補助金ではなく「実証事業」
今回の制度について注意したいのが、一般的な設備投資補助金とは仕組みが異なる点です。
環境省の公式発表では、自治体へ一定額の補助金を交付する制度としてではなく、専門家チームによるコンサルティング実証事業として募集されています。
そのため、環境省の募集ページでは「補助率○%」「上限○万円」といった補助金額は示されていません。
本記事でも、公式情報で確認できない金額については記載していません。
民間企業との連携につながる可能性も
応募主体は地方公共団体ですが、クマ対策ではさまざまな技術やサービスの活用が考えられます。
例えば、自治体が今後具体的な対策を実装する段階では、監視・検知、情報共有、地域環境整備などの技術やサービスが必要になる可能性があります。
ただし、今回の実証事業で特定の民間製品やサービスが補助対象になることが公式に示されているわけではありません。
民間企業との連携を検討する場合には、実証内容や環境省・自治体の方針を確認したうえで進める必要があります。
10団体程度を選定予定
環境省は、応募が多数となった場合、課題の内容などを踏まえて10団体程度を選定する予定としています。
すべての応募自治体が参加できる制度ではありません。
そのため応募時には、
- 現在どのようなクマ出没の課題があるのか
- なぜ対策強化が必要なのか
- どのような支援を必要としているのか
- 専門家とどのように協働できるのか
といった地域の課題を具体的に整理することが重要になります。
募集締切は10月2日17時
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 募集開始 | 2026年9月4日(金) |
| 応募締切 | 2026年10月2日(金)17:00 |
| 対象 | 都道府県・市町村 |
| 選定予定 | 応募多数の場合10団体程度 |
| 提出方法 | 電子メール |
応募する自治体は、環境省が公開している応募申請書に必要事項を記入し、指定されたメールアドレスへ提出します。
こんな自治体は確認したい
- 最近クマの出没が増えている
- 市街地や住宅地周辺への出没に困っている
- クマ対策の専門的な知識が不足している
- 庁内に十分な対策ノウハウがない
- 専門家に現地を見てもらいたい
- 地域に合ったクマ対策を検討したい
- 具体的な対策を試行して効果を検証したい
- 今後のクマ対策計画を強化したい
応募前に整理したい5つのポイント
- 地域のクマ出没状況と課題を整理する
- 生活圏への出没対策で困っている点を明確にする
- 専門家に相談したい内容を整理する
- 実証期間中の自治体担当者を決める
- 10月2日17時から逆算して応募申請書を作成する
特に今回の事業では、専門家にすべてを任せるのではなく、自治体と専門家チームが協働して対策を具体化することが求められています。
よくある質問
誰が応募できますか?
一定の条件を満たす都道府県・市町村が対象です。
民間企業は応募できますか?
環境省の募集では、対象団体は地方公共団体(都道府県・市町村)とされています。
何団体が採択されますか?
応募多数の場合、課題の内容等を踏まえて10団体程度が選定される予定です。
どのような支援を受けられますか?
専門家による課題整理、現地調査、対策案の具体化、必要に応じた対策の一部試行、効果検証などが予定されています。
補助上限はいくらですか?
本事業は一般的な定額補助金ではなく、コンサルティング実証事業として募集されています。環境省の募集ページでは補助上限額は示されていません。
応募期限はいつですか?
2026年10月2日(金)17時までです。
まとめ|専門家と自治体が一緒にクマ対策を実証
環境省は2026年9月4日、「クマ出没対策コンサルティング実証事業」の参加自治体の募集を開始しました。
対象は都道府県・市町村で、応募多数の場合は10団体程度が選定される予定です。
選定された自治体では、
- 課題・ニーズの整理
- 専門家チームの編成
- 現地調査
- 対策案の具体化
- 対策の一部試行
- 効果検証
まで専門家と協働して進めます。
クマ対策の経験が十分ではなく、市街地や住宅地など人の生活圏への出没対策を強化したい自治体にとって、専門的な支援を受けながら具体策を検討できる実証事業です。
応募締切は2026年10月2日(金)17時です。
自治体向けの補助金・実証事業を探している方へ
国では、地域課題の解決に向けて、自治体を対象とした補助金やモデル事業、実証事業などさまざまな支援制度を実施しています。
「自治体で活用できる支援制度を探したい」「地域課題の実証事業を検討している」「民間企業との官民連携に活用できる制度を知りたい」といった場合は、Saluteへご相談ください。
Saluteは補助金・支援制度の活用をトータルサポートします。
参考・出典
- 環境省|クマ出没対策コンサルティング実証事業の参加地方公共団体の募集について
- 環境省自然環境局|市街地クマ出没対策チーム
※本記事は2026年9月5日時点で環境省が公開している公式情報をもとに作成しています。本事業は一般的な補助金ではなく、地方公共団体を対象としたコンサルティング実証事業です。応募条件、実証内容、提出書類等については、応募時に必ず環境省の最新募集要領をご確認ください。