小規模事業者持続化補助金<創業型>は、創業後の小規模事業者等が行う販路開拓などの取り組みを支援する補助制度です。
「会社を設立したばかりで広告宣伝に投資したい」「新しい店舗の集客を強化したい」「商品を開発して新しい顧客を獲得したい」といった創業期の事業者にとって、確認しておきたい補助金の一つです。
2026年は第4回公募が予定されており、申請受付期間は2026年11月5日から12月15日17:00までです。
この記事では、2026年8月時点で公開されている公式情報をもとに、小規模事業者持続化補助金<創業型>の対象者、補助額、対象経費、申請要件と、創業期の企業がどのように活用できるのかをわかりやすく解説します。
小規模事業者持続化補助金<創業型>とは?
小規模事業者持続化補助金<創業型>は、創業後の小規模事業者等による販路開拓などの取り組みを支援する制度です。
創業期の企業では、商品やサービスを作るだけでなく、「どうやって顧客に知ってもらうか」「どうやって最初の売上を作るか」という販路開拓が大きな課題になります。
そこで、経営計画を策定したうえで実施する広告、店舗改装、展示会、新商品開発などの取り組みに必要な経費の一部を支援するのが創業型です。
単なる「開業資金」ではなく、創業した事業を成長させるための販路開拓を支援する制度 と考えるとわかりやすいでしょう。
補助上限は200万円
創業型では、通常の補助上限額が200万円、補助率は2/3です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助上限額 | 200万円 |
| 補助率 | 2/3 |
| インボイス特例 | 50万円上乗せ |
| 最大補助上限 | 250万円 |
インボイス特例の要件を満たす場合は50万円が上乗せされ、補助上限額は最大250万円となります。
ただし、補助金は対象経費の全額が支給される制度ではありません。
補助率や補助対象経費を確認し、自己負担分を含めた資金計画を立てることが重要です。
誰でも「創業型」に申請できるわけではない
「最近会社を設立した」という理由だけで、創業型の対象になるわけではありません。
創業型では、産業競争力強化法に基づく「特定創業支援等事業」による支援を受けていることなど、所定の要件が設定されています。
また、創業時期についても要件があります。
そのため申請を検討する場合は、まず、
- 自社が小規模事業者に該当するか
- 創業時期が要件を満たしているか
- 特定創業支援等事業による支援を受けているか
- その他の申請要件を満たしているか
を確認する必要があります。
「特定創業支援等事業」とは?
特定創業支援等事業とは、市区町村等が創業希望者や創業者に対して行う継続的な創業支援のうち、一定の要件を満たすものです。
例えば、創業に必要となる経営、財務、人材育成、販路開拓などについて、セミナーや個別相談等による支援が実施されています。
実際の支援内容や証明書の取得方法は自治体によって異なります。
創業型を検討している場合は、自社の所在地を管轄する自治体で対象となる創業支援が実施されているか、早めに確認することが重要です。
何に使える?補助対象経費
創業型では、販路開拓等に必要となるさまざまな経費が補助対象として設定されています。
| 経費区分 | 活用イメージ |
|---|---|
| 機械装置等費 | 販路開拓等に必要な機械・設備 |
| 広報費 | チラシ・パンフレット等の作成 |
| ウェブサイト関連費 | 販路開拓につながるWebサイト等 |
| 展示会等出展費 | 展示会・商談会への出展 |
| 旅費 | 販路開拓等に必要な移動 |
| 新商品開発費 | 新商品等の試作・開発 |
| 借料 | 事業に必要な機器等の借料 |
| 委託・外注費 | 自社で実施できない業務の委託・外注 |
ただし、それぞれの経費には対象となる条件があります。
契約や発注を行う前に、最新の公募要領で補助対象となるか確認してください。
創業直後の「集客」に活用できる
創業期に特に重要になるのが、最初の顧客を獲得するための販路開拓です。
例えば、新しく店舗を開業しても、店舗の存在を顧客に知ってもらわなければ売上にはつながりません。
そのため、
- チラシやパンフレットの作成
- 販路開拓のためのWeb活用
- 展示会・商談会への出展
- 新商品・サービスの開発
- 販路開拓につながる店舗改装
などを組み合わせ、顧客獲得までの計画を作ることが重要です。
「何に補助金を使うか」ではなく、「どうやって顧客を獲得するか」から逆算して投資内容を決めることがポイントです。
店舗開業にも使える?
飲食店、美容室、小売店、サービス店舗などを創業した事業者が、店舗に関する投資を検討しているケースもあるでしょう。
創業型では、販路開拓等の取り組みに必要となる店舗改装などが、委託・外注費として対象になる場合があります。
ただし、店舗を新しく開業したからといって、内装工事や設備のすべてが自動的に補助対象になるわけではありません。
その投資が経営計画に基づく販路開拓とどのようにつながっているのか を整理する必要があります。
ホームページ制作だけを目的にしない
創業したばかりの企業では、ホームページやECサイトを作りたいというケースも多くあります。
ウェブサイト関連費は補助対象経費として設定されていますが、ウェブサイト関連費のみで申請することはできません。
また、ウェブサイト関連費には補助金交付申請額に対する上限があります。
そのため、 「ホームページを作ること」を目的にするのではなく、「新規顧客を獲得するためにWebをどう活用するか」 を販路開拓計画として整理することが重要です。
創業型と通常枠は何が違う?
小規模事業者持続化補助金には「一般型・通常枠」もあります。
どちらも販路開拓等を支援する制度ですが、創業型は創業期の事業者を対象とし、申請要件や補助上限額などが異なります。
| 比較 | 創業型 | 一般型・通常枠 |
|---|---|---|
| 主な対象 | 創業期の小規模事業者等 | 小規模事業者等 |
| 基本補助上限 | 200万円 | 50万円 |
| 基本補助率 | 2/3 | 2/3 |
| 特徴 | 創業に関する所定の要件あり | 創業時期を問わず要件を満たす小規模事業者等 |
創業型の要件を満たす場合には、通常枠だけで判断せず、どちらの制度が自社の計画に適しているか確認するとよいでしょう。
2026年第4回の申請スケジュール
中小企業庁は、小規模事業者持続化補助金<創業型>第4回について、2026年5月27日に公募要領を公開しています。
| 項目 | 日程 |
|---|---|
| 公募要領公開 | 2026年5月27日 |
| 申請受付開始 | 2026年11月5日 |
| 事業支援計画書 発行受付締切 | 2026年12月4日 |
| 申請受付締切 | 2026年12月15日 17:00 |
特に注意したいのが、申請締切より前に設定されている事業支援計画書(様式4)の発行受付締切です。
申請直前から準備を始めるのではなく、経営計画や必要経費、見積りなどを早めに整理しておくことが重要です。
創業型を検討するなら最初に確認したい6項目
- 自社が小規模事業者の要件を満たしているか
- 創業時期が対象要件を満たしているか
- 特定創業支援等事業の要件を満たしているか
- どの顧客を獲得したいのか明確になっているか
- 販路開拓に必要な投資と見積りを整理しているか
- 商工会・商工会議所への手続きを把握しているか
特に創業型の場合は、一般的な持続化補助金の要件だけではなく、創業に関する固有の要件を満たしているかを最初に確認することが重要です。
よくある質問
会社を設立したばかりなら申請できますか?
設立したばかりというだけでは対象になりません。小規模事業者の要件、創業時期、特定創業支援等事業による支援など、創業型に設定された要件を満たす必要があります。
個人事業主も対象になりますか?
所定の要件を満たす小規模事業者であれば、個人事業主も対象となり得ます。具体的な対象要件は最新の公募要領をご確認ください。
店舗の内装工事は対象になりますか?
販路開拓等の取り組みに必要となる店舗改装等が対象になる場合があります。ただし、すべての工事が対象になるわけではありません。
ホームページだけ作る申請はできますか?
ウェブサイト関連費のみで申請することはできません。他の補助対象経費と組み合わせた販路開拓等の計画として検討する必要があります。
補助金が採択されれば費用を先に受け取れますか?
補助金は原則として後払いです。事業者側で必要な資金を確保しておく必要があるため、自己資金や資金調達を含めた資金繰りも事前に検討することが重要です。
まとめ|創業時こそ「補助金ありき」にしない
小規模事業者持続化補助金<創業型>は、創業後の販路開拓に取り組む小規模事業者等にとって有力な支援制度の一つです。
基本となる補助上限は200万円で、広告、Web活用、展示会、新商品開発、店舗改装など、さまざまな販路開拓に利用できる可能性があります。
一方で、創業しただけで利用できる制度ではなく、創業時期や特定創業支援等事業などの要件があります。
「補助金で何を買えるか」から考えるのではなく、「誰を顧客にして、どうやって売上を作るのか」を明確にしたうえで、必要な投資に補助金を活用することが重要です。
創業・新規開業に使える補助金を知りたい方へ
「会社を設立したばかりで使える補助金を知りたい」「店舗の集客や広告に補助金を活用したい」「創業型と通常枠のどちらが使えるのかわからない」といった場合は、契約や発注を行う前に利用可能な制度を確認することが重要です。
Saluteは補助金申請をトータルサポートします。
自社の事業内容や創業時期に応じた補助制度の選定から、経営計画・事業計画書・申請書類の作成、提出手続きまで、専門家が丁寧にご支援いたします。
参考・出典
※本記事は2026年8月24日時点で公開されている中小企業庁および小規模事業者持続化補助金事務局の公式情報をもとに作成しています。補助対象者、創業要件、補助対象経費、補助上限額、申請期間等は変更される場合があります。申請の際は必ず最新の公募要領・公式情報をご確認ください。